
2010年08月30日
スムストック 5年後、成約2千件へ 中古住宅の独自評価制度 高価格査定も相次ぐ
(2010/08/30 週刊住宅)
【本記事はPDFでもご覧いただけます】
住宅メーカーが建設した住宅が流通市場に乗る際、一定基準をクリアした場合「スムストック住宅」として独自基準で査定する優良ストック住宅推進協議会は、08年7月の設立からこれまでの実績報告を行った。これまで特定の住宅メーカーが施工した住宅はそのグループ会社でしか扱えないようにしていたが、2年後をめどに別グループの会社が扱えるようにする考えを明らかにした。
◇ ◇ ◇
同会は08年7月に、既存のストック住宅の流通活性化、20年程度で建物価格がゼロと査定される流通市場の適切な仕組みの構築を目指して、大手住宅メーカー9社(現在は10社)が集まって設立。会員メーカーが施工した住宅で、独自基準をクリアした住宅を「スムストック住宅」と定義。中古流通時に、建物と土地の価値を分けて査定・表示するスムストック住宅の査定マニュアルを策定、スムストック住宅を取り扱う会員メーカー子会社の流通営業マンの資格「スムストック住宅販売士」を育成している。7月末時点でスムストック販売士は957人。
組織の立ち上げから7月末時点までの1年間の査定数は3885件、成約件数は317件だった。今年に入ってから月間20件以上の成約をコンスタントに記録しており、実績も徐々に増えている。「査定価格は高くなるが、買い客に対して査定方法や建物の評価について詳しく説明すると納得して購入してくれる」(中林昌人事務局長)
成約内容を分析すると、成約価格は一般住宅に比べて坪単価10万円程度高くなった。「一般的にはゼロ査定となる住宅でも、建物価格を評価することで高い査定金額になる」(中林氏)。また、査定額とほぼ同額で売却出来ている物件が多く、買主からも一定の評価を得ていることがうかがえる。
また、会員会社が認定工法の住宅を建設している場合が多く、従来はグループ内の営業マンしか取り扱えないという成約があったが、将来的なオープン化を見据え、2年後をめどにライセンス制による会員間での条件緩和に踏み切る。自社グループ内でのスムストック住宅取り扱いで実績を上げた営業マンが、研修を通じて別グループの建物について学んだ場合にライセンスを付与する方法が有力だ。
2015年度末時点での年間査定目標は8000件、成約件数2000件、スムストック住宅販売士1200人を目指す。今後は、一般の戸建てのスムストック査定が可能かどうかなど、制度のオープン化へ向けて検討を進める。地域の工務店なども視野に加盟会社を増やす。
(2010/08/30 週刊住宅)
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住宅メーカーが建設した住宅が流通市場に乗る際、一定基準をクリアした場合「スムストック住宅」として独自基準で査定する優良ストック住宅推進協議会は、08年7月の設立からこれまでの実績報告を行った。これまで特定の住宅メーカーが施工した住宅はそのグループ会社でしか扱えないようにしていたが、2年後をめどに別グループの会社が扱えるようにする考えを明らかにした。
◇ ◇ ◇
同会は08年7月に、既存のストック住宅の流通活性化、20年程度で建物価格がゼロと査定される流通市場の適切な仕組みの構築を目指して、大手住宅メーカー9社(現在は10社)が集まって設立。会員メーカーが施工した住宅で、独自基準をクリアした住宅を「スムストック住宅」と定義。中古流通時に、建物と土地の価値を分けて査定・表示するスムストック住宅の査定マニュアルを策定、スムストック住宅を取り扱う会員メーカー子会社の流通営業マンの資格「スムストック住宅販売士」を育成している。7月末時点でスムストック販売士は957人。
組織の立ち上げから7月末時点までの1年間の査定数は3885件、成約件数は317件だった。今年に入ってから月間20件以上の成約をコンスタントに記録しており、実績も徐々に増えている。「査定価格は高くなるが、買い客に対して査定方法や建物の評価について詳しく説明すると納得して購入してくれる」(中林昌人事務局長)
成約内容を分析すると、成約価格は一般住宅に比べて坪単価10万円程度高くなった。「一般的にはゼロ査定となる住宅でも、建物価格を評価することで高い査定金額になる」(中林氏)。また、査定額とほぼ同額で売却出来ている物件が多く、買主からも一定の評価を得ていることがうかがえる。
また、会員会社が認定工法の住宅を建設している場合が多く、従来はグループ内の営業マンしか取り扱えないという成約があったが、将来的なオープン化を見据え、2年後をめどにライセンス制による会員間での条件緩和に踏み切る。自社グループ内でのスムストック住宅取り扱いで実績を上げた営業マンが、研修を通じて別グループの建物について学んだ場合にライセンスを付与する方法が有力だ。
2015年度末時点での年間査定目標は8000件、成約件数2000件、スムストック住宅販売士1200人を目指す。今後は、一般の戸建てのスムストック査定が可能かどうかなど、制度のオープン化へ向けて検討を進める。地域の工務店なども視野に加盟会社を増やす。
2010年08月17日
フラット35S優遇策延長へ 国交省 11年度予算要求で検討
(2010/08/17 住宅新報)
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国土交通省は長期固定金利住宅ローン・フラット35のうち、省エネルギー性などに優れた住宅を購入する場合、金利優遇が受けられるフラット35S(優良住宅取得支援制度)について、2月から年内を期限に行っている"金利引き下げ幅拡大"の延長を検討している。11年度の概算要求に盛り込みたい考え。
フラット35Sの金利引下げ幅拡大は、09年12月にまとめられた政府・経済対策の1つ。当初10年間の金利引き下げ幅を、従前の0.3%から1.0%にするよう拡充された。
この政策の効果は顕著で、住宅金融支援機構によると、10年度第1四半期のフラット35Sの買取申請戸数は2万9307戸。前年同期比で5.19倍にも上った。
住宅着工戸数にも影響した。支援機構の資金を活用した持家の着工戸数が前年比で増加。6月は前年同月比2.46倍にもなっている。
同制度の延長に向けて国交省は現在、予算要求を検討中。経済対策では申請期限を年内としているため、11年1〜3月に対する措置や、"当初10年間1%引き下げ"という現行制度のまま延長するか否かなどの内容面について、「検討している段階」(国交省)という。
(2010/08/17 住宅新報)
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国土交通省は長期固定金利住宅ローン・フラット35のうち、省エネルギー性などに優れた住宅を購入する場合、金利優遇が受けられるフラット35S(優良住宅取得支援制度)について、2月から年内を期限に行っている"金利引き下げ幅拡大"の延長を検討している。11年度の概算要求に盛り込みたい考え。
フラット35Sの金利引下げ幅拡大は、09年12月にまとめられた政府・経済対策の1つ。当初10年間の金利引き下げ幅を、従前の0.3%から1.0%にするよう拡充された。
この政策の効果は顕著で、住宅金融支援機構によると、10年度第1四半期のフラット35Sの買取申請戸数は2万9307戸。前年同期比で5.19倍にも上った。
住宅着工戸数にも影響した。支援機構の資金を活用した持家の着工戸数が前年比で増加。6月は前年同月比2.46倍にもなっている。
同制度の延長に向けて国交省は現在、予算要求を検討中。経済対策では申請期限を年内としているため、11年1〜3月に対する措置や、"当初10年間1%引き下げ"という現行制度のまま延長するか否かなどの内容面について、「検討している段階」(国交省)という。