
2010年11月29日
不動産再生で広がるビジネスチャンス リニュアル仲介ネットワーク 「中古+リフォーム」を推進
(2010/11/29 週刊住宅)
【本記事はPDFでもご覧いただけます】
【リニュアル仲介 会員募集広告も掲載しております】
金融、工務店 不動産会社 高まるニーズに対応 中古瑕疵保険も標準装備
政府が打ち出した新成長戦略では、中古住宅流通市場やリフォーム市場の規模を2020年までに倍増した上で、現在は既存ストックの21%を占めると言われる耐震強度不足の建物を5%まで引き下げる方針を明確に打ち出している。
こうした動きとともに新築志向と言われてきたユーザーの需要も大きく変わり始めた。5000万戸と言われる膨大なストックを拝啓に、安全な住宅を購入して自分好みにリフォームするという住まい選びが一般的になってきた。
一方で「中古+リフォーム」を選ぶユーザーにはファイナンスという分厚い壁が立ちはだかる。一般的に中古住宅に数百万円規模の大規模なリフォームをかける場合、住宅ローンとは別にリフォームローンを新たに組む必要があるからだ。
無担保融資であるリフォームローンは、住宅ローンに比べ金利が数パーセント高いうえ、属性によっては十分な借り入れができない。このハードルによって、思い描いていた増改築プランが実現できなかったという声は意外に多い。
こうした制度の穴を埋めようと、全国のリフォーム会社と不動産仲介会社、モーゲージバンクなど多岐にわたる分野の事業者が立ち上がって昨年9月に発足したのがリニュアル仲介ネットワーク(本部は埼玉県川口市、エイム)である。
昨年9月に設立した同ネットワークでは、中古住宅の紹介からリフォーム、ローン付けまでの流れを参加企業が分担して売買仲介とリフォームを同時並行する「リニュアル仲介の普及促進を図っている。(具体的な流れは図を参照)
リニュアル仲介の特色は、(1)売主と買主が売買の申し合わせをした後で、(2)売主が買主の希望に沿ってリフォームを実施し、(3)工事が完了した段階で物件を売却する独自のスキームを実践している点だ。
取引上はリフォーム済物件を売買する形となり、買い手は住宅ローン一本で自分の希望に見合った住宅を取得できるという仕組み。もちろんリフォーム費用は物件価格に上乗せするため実質的な売主負担はない。
ローンは民間金融機関ではなく、借り手の前年年収をもとに融資の可否を判断する日本モーゲージサービスのフラット35(フラット35S)を利用する。つまりリフォーム費用も"フラット金利"で借り入れできることになる。
またファイナンシャルプランを初期段階で実施するのも特徴。ユーザーは、いくらまで借りられるのかがあらかじめわかっているため、ローン審査でつまずいてまとまりかけていた契約が白紙になるといった恐れもない。
フラット35の利用には、耐震基準を満たす必要があるため、工事には必ずインスペクションを実施。耐震性に問題がある場合には耐震補強も同時提案する。耐震基準適合証明書の発行によって築古住宅でも住宅ローン減税を受けられるのもメリットだ。
このほかにもリフォーム中に業者が倒産した場合などの完成保証や、中古住宅瑕疵保険も標準装備するなど「中古+リフォーム」の"入り口から出口まで"をワンストップで対応できるという強みもある。
まさに仲介とリフォーム、金融など異業種間のシナジーによって初めて実現可能になる独自性の高い取り組みと言えよう。中古市場の成長の原動力として期待の眼差しが注がれている。
仲介会社200社規模に 500人の潜在需要、本部が振り分け
リニュアル仲介ネットワークに加盟する仲介会社は200社とわずか1年余りの間に急速にふくれあがった。参加には入会金や年会費などの費用負担がないことが、単なる仲介にとどまらない新たなビジネスモデルを模索する経営者への呼び水となっているようだ。
一般的な仲介とは違い、リニュアル仲介は成約までの期間が平均6カ月と長いことから、爆発的に利用件数が増えているわけではない。ただテレビ番組の放映など消費者への露出の機会も増えた最近は実績も上がっているという。
「不動産会社が物件を紹介するのではなく、消費者が解体物件をインターネットなどで探してきて『リニュアル仲介できるかどうか』を尋ねるところから始まる。言わばバイヤーズエージェントのような方式となっている」(リニュアル仲介本部の西生建代表)
注目すべきは、消費者向けセミナーなどを通じて本部に集まってくる購入希望の多さだ。問い合わせは1日2件ペース、現在は500人の需要がプールされている。中心層は20代後半〜40代前半で、ほとんどが1年以内の購入を希望しているという。こうした需要はエリアなどに応じて本部が加盟店に振り分けているがそれでも追いつかない。
「加盟店がさらに増えればエリア制などの交通整理も考えていく必要もあるが、まだ必要ない。今後もリフォーム会社などと連携を取りながら、きめの細かい提案ができる仲介会社を広く募集したい」(同)
(2010/11/29 週刊住宅)
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金融、工務店 不動産会社 高まるニーズに対応 中古瑕疵保険も標準装備
政府が打ち出した新成長戦略では、中古住宅流通市場やリフォーム市場の規模を2020年までに倍増した上で、現在は既存ストックの21%を占めると言われる耐震強度不足の建物を5%まで引き下げる方針を明確に打ち出している。
こうした動きとともに新築志向と言われてきたユーザーの需要も大きく変わり始めた。5000万戸と言われる膨大なストックを拝啓に、安全な住宅を購入して自分好みにリフォームするという住まい選びが一般的になってきた。
一方で「中古+リフォーム」を選ぶユーザーにはファイナンスという分厚い壁が立ちはだかる。一般的に中古住宅に数百万円規模の大規模なリフォームをかける場合、住宅ローンとは別にリフォームローンを新たに組む必要があるからだ。
無担保融資であるリフォームローンは、住宅ローンに比べ金利が数パーセント高いうえ、属性によっては十分な借り入れができない。このハードルによって、思い描いていた増改築プランが実現できなかったという声は意外に多い。
こうした制度の穴を埋めようと、全国のリフォーム会社と不動産仲介会社、モーゲージバンクなど多岐にわたる分野の事業者が立ち上がって昨年9月に発足したのがリニュアル仲介ネットワーク(本部は埼玉県川口市、エイム)である。
昨年9月に設立した同ネットワークでは、中古住宅の紹介からリフォーム、ローン付けまでの流れを参加企業が分担して売買仲介とリフォームを同時並行する「リニュアル仲介の普及促進を図っている。(具体的な流れは図を参照)
リニュアル仲介の特色は、(1)売主と買主が売買の申し合わせをした後で、(2)売主が買主の希望に沿ってリフォームを実施し、(3)工事が完了した段階で物件を売却する独自のスキームを実践している点だ。
取引上はリフォーム済物件を売買する形となり、買い手は住宅ローン一本で自分の希望に見合った住宅を取得できるという仕組み。もちろんリフォーム費用は物件価格に上乗せするため実質的な売主負担はない。
ローンは民間金融機関ではなく、借り手の前年年収をもとに融資の可否を判断する日本モーゲージサービスのフラット35(フラット35S)を利用する。つまりリフォーム費用も"フラット金利"で借り入れできることになる。
またファイナンシャルプランを初期段階で実施するのも特徴。ユーザーは、いくらまで借りられるのかがあらかじめわかっているため、ローン審査でつまずいてまとまりかけていた契約が白紙になるといった恐れもない。
フラット35の利用には、耐震基準を満たす必要があるため、工事には必ずインスペクションを実施。耐震性に問題がある場合には耐震補強も同時提案する。耐震基準適合証明書の発行によって築古住宅でも住宅ローン減税を受けられるのもメリットだ。
このほかにもリフォーム中に業者が倒産した場合などの完成保証や、中古住宅瑕疵保険も標準装備するなど「中古+リフォーム」の"入り口から出口まで"をワンストップで対応できるという強みもある。
まさに仲介とリフォーム、金融など異業種間のシナジーによって初めて実現可能になる独自性の高い取り組みと言えよう。中古市場の成長の原動力として期待の眼差しが注がれている。
仲介会社200社規模に 500人の潜在需要、本部が振り分け
リニュアル仲介ネットワークに加盟する仲介会社は200社とわずか1年余りの間に急速にふくれあがった。参加には入会金や年会費などの費用負担がないことが、単なる仲介にとどまらない新たなビジネスモデルを模索する経営者への呼び水となっているようだ。
一般的な仲介とは違い、リニュアル仲介は成約までの期間が平均6カ月と長いことから、爆発的に利用件数が増えているわけではない。ただテレビ番組の放映など消費者への露出の機会も増えた最近は実績も上がっているという。
「不動産会社が物件を紹介するのではなく、消費者が解体物件をインターネットなどで探してきて『リニュアル仲介できるかどうか』を尋ねるところから始まる。言わばバイヤーズエージェントのような方式となっている」(リニュアル仲介本部の西生建代表)
注目すべきは、消費者向けセミナーなどを通じて本部に集まってくる購入希望の多さだ。問い合わせは1日2件ペース、現在は500人の需要がプールされている。中心層は20代後半〜40代前半で、ほとんどが1年以内の購入を希望しているという。こうした需要はエリアなどに応じて本部が加盟店に振り分けているがそれでも追いつかない。
「加盟店がさらに増えればエリア制などの交通整理も考えていく必要もあるが、まだ必要ない。今後もリフォーム会社などと連携を取りながら、きめの細かい提案ができる仲介会社を広く募集したい」(同)

Posted by 売りたい買いたいネット at 12:00
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